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オタクのメモ

『鬼と天国』上 下

 

『鬼と天国』上下

 

 

作者:阿賀直己(原作)/お吉川京子(作画)

出版社/発売年:竹書房/2018

媒体:漫画

 

www.takeshobo.co.jp

 

◇あらすじ(HP*1より引用)◇

高校勤務の青鬼(あおき)は、最低限しかやる気を出さない省エネ教師。先輩教師にどやされ、なかなか教室に来ない生徒の様子見のために向かった“保健室”で初めてまともに話した、どうにも掴めない養護教諭天獄(てんごく)。

熱心な教師を演じる青鬼の本性をあっさり見破って、にっこり笑顔。この出来事で天獄のことが苦手だと再認識したはずなのに、「赴任してきてからずうっと見てた」とカミングアウト。

更に青鬼のことを“純情”だと言って、いきなりくちづけをされて――?

変態系ぶっこわれ保健医×くたびれ純情教師
臆病な青鬼を待ち受けるのは天国か地獄か?


◇作品キーワード◇

性描写濃/同意なし

すれ違い/シリアス

社会人/教員/30代×30代/BDSM/倫理×/黒髪ショート/黒髪ミディアム

 

 

 

以下ネタバレを含みます

◆◆◆

周りからやる気のない教師扱いされている青鬼と歪んだ欲を抱える養護教諭天獄の恋愛ではない関係から始まる2人の関係。

互いの加虐心と被虐心の凹凸がうまく作用して、最初は気持ちのなかった関係が徐々に独占欲のような感情に代わっていく様が丁寧に描かれています。独特な関係性に秀逸な心理描写、テンポ感がこちらを話に引き込んでいくので、下巻での2人がうまくかみ合わなくなる瞬間はこちらもハラハラしてしまいました。自分の一番弱い部分を相手だけは見ていてくれているという、独占欲に近い信頼が見えた瞬間がかなりグッときました。

初回は完全に非同意なのと普通に職場(学校)で行為を行っているので、そういう点では人を選ぶ作品ではあると思います。回数が比較的多いのとBDSMという特殊な設定があるため性描写濃に分類していますが、画面的にはすっきりとしているため、肉感や湿っぽさが苦手な方でも読みやすいはずです。

個人的には女性に対する描写で好きではない部分もありましたが、全体を通していわゆる清廉潔白な大人というのが登場しないので、そこまで違和感はないです。