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オタクのメモ

『焦がれて 焦がして』

 

『焦がれて 焦がして』

 


作者:noji

出版社/発売年:ふゅーじょんぷろだくと/2019

媒体:漫画

 

www.comicbox.co.jp

 

◇あらすじ(HP*1より引用)◇

あと何回、一緒に食卓を囲めるのかな。

生まれ育った田舎町を出て自分の店「プレール」を持った料理人の悠次(ゆうじ)。
美味しい料理と酒を出す、充実した日々…のはずが、
心の片隅にはいつも幼馴染みである総一(そういいち)への片想いがくすぶっていた。
そんな想いを試すように、再会は突然訪れる。
仕事でやつれた総一に料理を振る舞うことになった悠次。
一目で溢れ出してしまう恋心に戸惑いながらも、彼はただ愛おしい人への食事を作る。
切ないのにどこかあたたかいボーイズ・ラブ、noji デビューコミックス。

 
◇作品キーワード◇

性描写淡/同意あり

シリアス/あまあま

同級生/社会人/20代×20代/茶髪ショート/黒髪ショート

▼同時収録▼

性描写淡/同意不明

シリアス

生徒/社会人/年の差/20代×10代/茶髪ミディアム/黒髪ショート

 

 

 

以下ネタバレを含みます

◆◆◆

表題作『焦がれて 焦がして』は、昔から恋心を抱いていた幼馴染と東京で再会し、その思いを再認識、加速させていきます。全体を通して暖かい雰囲気で進む作品です。すれ違う瞬間は多少ありますが障害らしい障害はなく、ほのぼのとした作品を好む方にはおすすめです。

悠次はカフェを経営しており、登場する食べ物がどれもおいしそうなので、つい隅のコマまでじっくりと読み込んでしまいます。 他にも風景や家具まで細かく描かれていて、どのページも画面密度の高さがあります。

普段はひょうひょうとしていて、真っすぐに発言する総一がいざとなると照れる様がかわいらしいです。

総一の後輩との対比を見る限り、かなり大柄な2人のようです。その中でも体の幅が広いため、悠次の方が一見大きく見えますが、実は総一の方が背が高いこと、はきはきと話す総一の一人称が「僕」であることなど、定型にはまっていない感じが個人的には好きなポイントです。

 

同時収録作品『ある日森の中で』は、その世界特有の倫理観、納得させられる背景などを想起させるシーンのない成人と10代が恋愛関係になる作品が得意ではないため、個人的にはあまり好みではないです。短編なのでそこまで表現をするのが難しかったのかな……。掲載時期が分からないので、その時期なども関係してるかもしれません。

10代の年上に対する憧れや背徳的な関係が好みの方には、問題なく読めると思います。こちらも表題作と同じように繊細なタッチで描かれているので、短編とはいえ濃い作品になっています。

少し残念ではありましたが表題作だけでかなりボリュームがあるので、もし合わない場合もマイナス感なく読めるかと思います。