『先生のせんせい』
『先生のせんせい』
作者:noji
出版社/発売年:ふゅーじょんぷろだくと/2020
媒体:漫画
◇あらすじ(HP*1より引用)◇
“ ほっと息を抜いて、甘いものを食べよう。”
初めてクラスを担うことになった小学校の教師、大路(おおじ)。
入学式で顔を合わせたスクールカウンセラーの保美(やすみ)は過去に自分を救ってくれた。
α(アルファ)としてどう立ち回っていけば良いのか悩んでいた思春期を保美の存在が支えてくれた。
信頼感はいつしか心をときめかせる恋になっていた。
しかしそれもこれも全ては遠い昔の話……と言い聞かせたはずが、保美は相変わらず煌めいて見える。子供達と過ごす賑やかな日常と、育まれていくあたたかな愛情。
世界は見たいように見えるはず、希望と優しさに溢れるオメガバース。
◇作品キーワード◇
全年齢
ほのぼの
社会人/年の差/教師/スクールカウンセラー/20代×30代/オメガバース/α×β/茶髪ショート/黒髪ロング
以下ネタバレを含みます
◆◆◆
オメガバース世界での教員とスクールカウンセラーのお話です。α×Ωではなく、α×βのため、この設定が苦手な方は注意です。
大路が生徒のころ、自分の悩みを聞き、救ってくれたスクールカウンセラーの保美への恋心の再会とオメガバース世界で生きることの難しさを中心に描いています。
実はオメガバース作品が苦手(この世界におけるΩ男性Ω女性の地位の低さや人権のなさ、βへの迫害などもあるのでは?と勝手にハラハラしてしまうため)なのですが、同じような方へもこの作品はオススメできると思います。小学生というまだまだ成長途中の子供たちを見守り導く立場で、いわゆる上位に立つことが多いαが教員という設定にどんなふうに描くのだろうと思っていましたが、悩みを抱える子供や親御さんたちに対して真摯に向き合う教師たちの姿が丁寧に描かれており、ほっとしました。
女性同士のαΩペアや、男女のΩβペアなどが登場するのも個人的にはうれしい点でした。
大路の人柄が本当に素敵で、一度は振ったはずの(社会人と子供の関係だったので当たり前ですが)保美が再び惹かれていくのもうなずけます。その大路の基礎となる性格を形成したのが過去の保美であるという点も構成として美しいと感じました。